ゆりさん。

16-10-24-08-37-10-636_deco

まるで海外の街並みにたたずむ 消火栓のようなコーヒーミル。

20歳の頃に 石神井公園のそばの雑貨屋さんで 一目惚れして、ほしくて

その冬のお誕生日に 当時の彼がプレゼントしてくれた。

ガリガリガリ・・・

コーヒー豆を挽く音で始まる朝。

彼が家にいなくても ‘ ゆりさん ’と過ごす時間が 好きだった。

だいぶ幼く、頑なで 縮こまっているわたしを

そのままそっと 同じ大地の上に置いて ときどき語りかけてくれた。

やさしいだけでは決してなかった。

けれど、 そのままでいることを許してくれた ‘ ゆりさん ’。

淡々とした強さ。 惹きつけられたアレは 何だったのだろう?

今、ようやくわかるのは

自分の人生を引き受けてる人。 自分で選んで歩いている人。 自分の時間を生きてる人。 未来に不安ではなく 夢を見ている人。

だということ。

20歳のわたしが 肌でビシビシと感じた 「豊かに生きる」というカタチ。

生き方 と 人

この2つにズレが少ないほど 人は美しく見える。

ガリガリガリ・・・

あの頃を思い出しながら 久しぶりに豆を挽く。

‘ ゆりさん ’ 忘れられない人。

出逢って、絡み合って 教わったいろいろ。 ゆっくりじっくり思い出す。

今ならもっとわかるだろう。

矢野あずみ